胆のう結石と手術【腹腔鏡下胆嚢摘出術】その①

目次

初めての入院と手術

手術を決意したものの、迷いを拭えないまま月日は流れていった。

2022年10月頃に先生と決めた手術をやること。その手術の日は年が明けた2月だった。

手術決定から、実際に手術する日までずいぶん先だな!?と思われそうだが、それには思惑があった・・・

どうせ入院で仕事休むなら、雪がいちばん積もってて、いちばん寒い2月がいい!!と思っていたのだ・・・。
ここは北海道。冬の通勤は徒歩で片道30分近く雪道を歩かねばならんのだよ。


だって手術頑張るんだもん!なにか旨みが欲しいよ!!!

かつ入院スタートは金曜日である。
なぜかというと、傷病手当がもらえるのは病欠で休んだ4日目から。

わたしの仕事は土日が休みなので、金曜日に入院すると月曜日から手当がもらえるのだ。
土日はもともと休みだから、有給をとるのは金曜だけで済む。

傷病手当は日給の3分の2しかもらえないから、少しお給料は減っちゃうけど
有給は「遊びのために使う!!」と心から思っているので、傷病手当で賄うことにした。

2月10日から2月26日まで病欠ということになったので、実質傷病手当をもらって休むのは
土日祝を除いた9日間。手取りが2万円ほど減るけど、働いていてこんなに休めることはそうあるまい。
冬の通勤したくないし、2万円で休みを買ったということにした。

手術後3〜4日で出社する人もいるらしいのに、この休みのとりっぷり。
だって手術頑張るんだもん!このくらい旨みほしいよ!!!

と、自分をさんざん甘やかす計画をたて、あわよくば休んでる間にちょっと遊びにいっちゃお〜ぐふふ
くらいに思っていたのだった。

そんな余裕あるわけないことに気づいていない、しあわせだったころのわたし・・・。

入院当日・・・手術3日前

胆のう摘出をネットで検索すると、
・小さい傷で済む
・1時間半程度の手術
・早期社会復帰が可能

などと出てくる。つまりそんなたいそうな手術じゃないよ〜的な雰囲気だ。

最初、MRIで恐れおののいていたわたしも時間とともに、なんかイケる気がしてきていた。
そうだよ、全身麻酔だし。寝てたら終わるし。

コロナのため面会はできないとのことだったので、入院初日の病院への送りと
手術当日の立ち合いしたいと言っていた夫や母や妹にも
「大丈夫だよ!そんなたいそうなことじゃないらしいから!」を笑顔で断っていたのだった。

なので病院へはデカいリュックを背負ってひとりで行った。(妹がタクチケくれた)

手術は月曜だというのに、3日も前に入院したわたしは元気でピンピンとしていて、
持って行ったiPadで電子書籍を読んだり、この日読もうと思って買ってあった紙の本も読んだり、
売店をウロウロしたり。好きなだけTikTokを見たり。
ごはんが手元まで配膳してもらえて食べるだけでよい状態にウキウキしていたのだった。

病院食食べてたらどうせ痩せるから好き放題食べちゃお!とか言ってみごと3キロ太ってからの入院。
ごはんがデカめのどんぶりにこんもりとよそってあって、こんなに食べていいのか病院食!?などと
思ったが、一瞬でペロリと食べてしまっていた。美味しかった。

手術前日

主治医の先生から、手術についての説明を聞き、手術同意書にサインした。

手術が終わったらHCU(集中治療室)で一晩過ごすとのことだった。

その際に、「立ち合いはどなたがこられますか?」と先生。

え?コロナだから誰かきたらダメなんじゃないの!?断っちゃったよ?
ていうか、そんな立ち合いの話、今初めて聞いたが・・!?

「ふつう、誰かくるもんなんですかね?」
「そうですね、全身麻酔ですし・・だいたいみなさん、家族が立ち会ってますね」
「センセ、立ち合いできるって知らんかったから、断っちゃいました。ちょっと相談してみます。」

その後、麻酔科医の先生からも麻酔についての説明を受けた。
さらに手術室の看護婦さん、HCU(集中治療室)の看護婦さん、
それぞれがベッドまで「頑張りましょう」と挨拶にきてくれて、わたしも笑顔で「ガンバります!」などと言っていた。

なんか、おおごとになってきた気がする。たいした手術じゃなかったはずでは・・・

まずは夫に電話すると、「そうだよね!?立ち会うよね、全身麻酔だもん・・・仕事は調整する」と言ってくれた。

母に電話すると「ほれ!そりゃそうだよ!全身麻酔だもん!だから行くっていったのにアンタが断るから!
家族誰もこないって思われちゃったでしょ!アンタはもーーー!」などと心配と怒りが混ざっている母もくることになった。

立ち合い人も母と夫で決まり、ふと手渡されていた手術の日程表を見ると
「おへその掃除」という処置があるではないか・・・!


いきなり震え出した。イヤすぎる!!わたしはヘソをいじるのが大っ嫌いなのだ!
自分の指ですらヘソに近づくと寒気がする。もう子供のころからなので、たぶん30年は触っていない。

なんてことだ・・・手術前にこんな恐怖が待ち受けていたなんて、完全に想定外であった。

そんなこととは知るよしもなく、看護婦さんはおヘソ掃除にやってきた。

「おへそに小さな穴をあけるので、その前にキレイにしますねー」
「・・・わたし、ヘソが・・・ヘソを触るのがイヤすぎて、もうずっと掃除なんてしてないんです・・・
絶対ゴマだらけです、すみません・・・」


わたしはプライドがないのであっさりグズグズ言い出した。


「うふふっ、気にすることないですよ!なるべくササッとやりますね⭐︎」

「ひいいぃい」と変な声がでた。絶対見たくないので見てないが、たぶんコットンか綿棒かなにかで
なにか冷たい液体をつけて拭っている感があった。

ひいひい言ってる間にすぐに終わった。よかったプライドなくて。ひいひい言葉に出すと
なんかちょっと恐怖が半減する気がする。しょうもないシジュウ(40歳)だ。

そのあと足首を測り、弾性ストッキングの着用について説明を受けた。
手術後、深部静脈血栓症を予防するために自分にあった弾性ストッキング(ハイソックスみたいなやつ)を履くのだ。

「深呼吸の練習をしましょう。」と看護婦さん。

深呼吸の練習・・・?

全身麻酔により呼吸機能が弱くなるので、手術前に練習するらしい。


「仰向けに寝てくださいね。ゆーーーっくりと20秒かけて息を吸いますよ。吐くのはゆっくりでも
一気にでもどちらでもかまいませんよ。時間計りますからね〜。せーのッ!」

1・2・3・・・・・14・15・16ブハア!!!

「けっこう20秒って長いんですね!!ゆっくり吸った方がいいかも。」
「もう一回練習しましょう!」


こんな具合に、深呼吸の練習を3回ほどやった。
「手術後は呼吸機能が弱くなる」が全くイメージできず、これといって難しくもない
深呼吸の練習の意味を深く考えることはなかった。

「さて、あとは手術に備えるだけですね。当日、ラジオいります?」
「ラジオ?」

ラジオ・・・?わたしの生活に馴染みのないラジオ。
普段全く聴かないラジオ。

おそらく、術後なんもすることがないから手持ち無沙汰を解消するためのものだと思う。

HCUには本を2冊まで持っていっていいことになっていた。
本ならもともと大好きだから絶対持ってくけど、ラジオか・・・
聴くかなあ〜?でも用意してくれるみたいだし、一応借りとくかあ。

「そしたら、ラジオ借りますね」


看護婦さんから促されたからであって、これといって必要性を感じていなかった。
これがのちに超重要な役目を果たすとは知らず・・・。

つづく!(*´︶`*)ノ”したっけね!

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