胆のう結石と手術【腹腔鏡下胆嚢摘出術】その②

目次

手術当日

やってきました。手術当日。

手術は朝9時からで、お水だけ少し飲んでいいことになっている。


のんきに元から出てるおなかをペチペチして、ちょっとこのおなかを見せるのは照れくさいなあ
でもどうにもならんしな〜!手術終わったら本の続きを読むの楽しみだな〜とか考えていた。


時間も近づき、看護師さんが迎えにきてくれた。
手術室で一晩過ごすので、指定された荷物(タオルとか保湿剤とか)と
手術後のおともに抜擢された大切な本2冊。


コロナの関係で、きてくれた家族と談話室で話したりすることはできなかったので
手術室入り口で、少しだけ母に会った。

母は不安と心配がいりまじって眉毛がハの字みたいになっていたが、
頑張ってくるね〜!と明るく手を振ったら、少し笑顔になった。

ガウン式の病衣を着て、その下はノーブラパンイチ。

すごい!!ドラマとか映画に出てくる手術室にいるよ。
手術台に寝てるよ。うふふ。すごいわあ。うふふ。



そう、わたしはうふうふしているのだった。



手術をなんだと思っていたんだろう。


こどものころ、ぬいぐるみで妹と遊ぶとき
「あら!おけがしたのですね。しゅじゅちゅしまちょうね!」とかいって
なにかにつけ、「しゅじゅちゅ」していたのね。

こどもって、なぜかままごと遊びに「しゅじゅちゅ」があるんだよね。
どこか悪くなった、痛くなった、そんなときはしゅじゅちゅで治してハッピー!ってなるんだよね。




うんうん。そうそう。わたしこれから「しゅじゅちゅ」だよ。
うふふ・・・たくさんの看護師さんが優しく見守ってくれてるよ・・・

「それでは麻酔しますからね。マスクからね麻酔がでるから普通に呼吸しますよ〜」


ちょっとあらがってみよう。目をギンッとして絶対寝ないぞっていう固い意志を持った。
看護師さんがそっとマスクを鼻と口あたりにあてがった。

・・・

・・・・・さーーーん

ぬんぬんさーーーん、

ぬんぬんさん、終わりましたよ〜
聞こえますか〜聞こえていたらお返事してね〜

アタマなのかカラダなのか、どこなのか。ものすごーく重くぼんやりしている。
どっしりした泥のようだ。



右手でOKのサインを見せた。
「ジェスチャーでOKってした!うふふふ」
見えないけど、看護婦さん何人かが楽しそうに笑った。

そうか、口で、言葉で言うのか。
家でなにかしらのジェスチャーを毎日夫にしてるから、反射的にいつもやってることが出てしまった。





手術室からHCUに運ばれた。白い天井。ピッピッピ・・・・という小さい機械の音。


指には体の酸素を測るクリップ、膀胱には管が入っていて自然に尿が流れるようになっている。


ピッピッピっピッピッピ・・・わたしの脈拍を見守っていてくれる音・・・



誰もいない。いや正確にはいるんだけど、視界に入らない。
少しも身体を動かせない。まだ麻酔が完全に解けてないから・・・

ものすごく静か。時間の流れがわからない。少しつづ解ける麻酔。


足先が少し震えてきた。勝手に。
自由にならない身体なのに、見えてる目と現状を把握できる脳。
白い箱に閉じ込められたような視界。
どうしよう、なんだろう?叫びそうだよ。恐怖感が襲ってくる。

どうしようどうしようと焦っていたら
視界の左端から、見慣れた顔が見えた。母と夫だった。


命にかかわる大病でもなんでもないのに、
母は「頑張った頑張った」と半べそのような顔で私を撫で回した。
夫は母のために遠慮したような感じで、ほっぺを控えめに優しく撫でた。

ほんの10分くらいの面会だったのに、安心したのかさっきの恐怖にもにて震えは消えていた。

でも今度は息が苦しいの。看護婦さんに訴えてみてる。

「息が苦しいんです、息を吸っても吸っても酸素がはいってこない感じ・・・」

「血中酸素の値は99%なので正常値なんですよねえ・・・」

苦しいよ・・・とまた恐怖が襲ってきたんだけど、今ならわかる。
これ、不安からきてたんだ。だからヒトと話すと和らぐの。



完全に麻酔が解けると今度は切ったところが死ぬほど痛い。
経験したことのない種類の痛み。我慢しないでね!と言われていたのですぐに
看護師さんに行って、痛み止めを追加してもらったりした。

そして、「要らんだろ?」と思っていたラジオ。

腹が痛くて動けず、天井しか見れず、息苦しくて、まるで真っ白な部屋に閉じ込められたような気分。

そんなときに、片耳のイヤホンで聴いたラジオ。
なんていう番組か、わからない。けど、パーソナリティの男性と女性がどおってことない題材で
楽しそうに、時に笑い声も入っておしゃべりしていた。

人のしゃべり声がこんなに心を安心させてくれるなんて知らなかった。

この短いけれど、初めての入院と手術で知った、いちばんの驚きの出来事だった。

わたしの大切な本は、重くて持ち続けることができなかったの。
文庫だよ。それくらい弱ってた。

ラジオの声でなんとか乗り切り、夜は睡眠薬を点滴に入れてもらって
記憶がぶった斬られたように朝になっていた。



手術の翌日

昨日、点滴に睡眠薬を入れてもらったあとの記憶がブツっと切れていて、起きた時もブツっと起きた感じ。
普通、なんか「寝ていた感」があると思うんだけど・・・初めての睡眠薬・・・すご・・・ちょっと怖い。

HCUから一般病棟の自分の部屋に戻るために、看護師さんに助けてもらいながら
ベッドから車椅子に移動するときに強烈な痛みが!!!!
「いっっでえええええええぇええ」と口走ってしまいました!

すると、別の看護師さんが走り寄ってきて、「そんな無理して車椅子乗せることないのに!!」と・・・
そうなの?泣くよ?試練なの?

ひいこらひいこら部屋に戻って、やっとこさベッドに横たわっていたら、
「さて、歩く練習しましょうね」とのこと。


頑張って歩く練習した方が回復が早いそうで、看護師さんに付き添ってもらい、
ほんとにひーこらひーこらばひんばひんって感じだった・・・(←おぼっちゃまくん・・・知らなかったらゴメン)
ほんの10mの廊下を往復するのに30分かかった。

ていうか、身体の向きを変えるとか、しゃがむ、起き上がる、歩く・・・など
ほんと健康に動いているってことは、すべての動作に腹筋を使っているこということを体感した。

誰ですか・・・この手術は術後3〜4日で仕事に復帰できます!なんて言ったのは?
誰ですか・・・この手術はすぐ終わるし、そんなたいしたことないよ感を出したのは?

ムリムリムリムリ・・・ほんと無理・・・
でもほんとにいるらしい。3〜4日で仕事復帰する方。すごいな!!!超人だよ!



執刀医のセンセはわたしの要望通り、手術で取った結石を持ってきてくれた。

それは2.5cmくらいあって、苔むしたどんぐりのようだった。

とりいだしたる神秘の結石



先生は「一日ごとにどんどん痛みは減っていくから」と言っていた。
ほんと・・・?うううぅううイデデデデデ・・・・

退院

先生の言うとおり、あんなに痛かった痛みは一晩寝るごとに減っていった。

手術した翌日を1日目とすると、3日目には湯船に浸からせてくれた。

この湯船に使っていた時の、窓から差し込む日の光よ・・・湯に身体を沈める気持ちよよ。

あ〜〜健康って素晴らしい。

血液の検査の結果も良好で、手術日から5日後に退院し、自宅で安静にしてることとなった。

先生は「退院したら、一度は病院に診せにきてもらうけど、ほとんどの方がそれっきりだよ」と
おっしゃっていたが、本当にその通りとなった。

その後・・・

しばらくは下痢の日々が続いた。しばらくってのは1年くらいであるので、けっこう長い。
それに、いったい何を食べたら引き金になるのかわからんが、食べたらいきなりお腹を下す日々が続いた。

納豆ごはんのこともあれば、パンのこともあった。
油っぽいものがダメなのかといったらそうでもなく・・・。

キャンプとか、バイクなどアウトドア好きのわたしとしては、
ほんと、急に外で腹が痛くなってマジで野グソ5秒前みたいなこともあり、舌打ちしたくもなった。


やっと1年以上たって、たまに下すものの、バナナ型の元気なウンコがでるようになり
ハライタも減り・・・安心な日々が帰ってきたかなというところです。



もし、日本のどこかに、胆のう結石の手術を受けるかどうか悩んでるかたに
経験談としてなにかしらの参考になれば幸いです。



したっけね!!!(*´︶`*)ノ”

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