スーファミで童心にかえりすぎた人
数年前、ある日欲しかったスーパーファミコンミニが我が家にやってきた。
めちゃくちゃ懐かしいタイトル揃いで、ふたりでそれはもうテンション大爆発。
まずはやっぱマリオやりたい!ヨッシーにムラサキの甲羅食べさせて飛ぶのめっちゃ楽しい!
などと、キャッキャウフフしていたのです。
スーパーファミコンの前のファミコンが発売された時、それはもう死ぬほど欲しかった。
だけど母ちゃんが「ファミコンはダメ!お外で遊びなさい」派で、買ってもらえず。ファミコンが出た頃は小学校1年生だったと思うけど、みんなもうそれは夢中で。もう羨ましくて羨ましくて。
その後、スーパーファミコンが発売されて、しばらくしてやっと買ってもらえたんだよね。
初めてのソフトがスーパーマリオコレクション。もうほんとにほんとに嬉しかった・・・。
とかいう、あの頃の嬉しさを噛みしめ直していたのです。マリオで・・・。
マリオ&マリオカートをしばらく堪能した後、その次に夢中だった「がんばれゴエモン」
オットはロックマンの方が思い出深いようだったけど、絶対これは面白いからやろう‼︎
と誘いふたりで全面クリアを目指す毎日が始まったのです。
オットがゴエモンで、ぬんぬんがエビス丸。マリオと違って1人ずつ交代ではなく、画面の中でふたりで動くからまたこれが面白い。
ゲームの中で武器や体力回復のアイテムを買ったりするために、アルバイトをして小判(お金)を貯めることができるのね。モグラ叩きとペンキ塗り。パーフェクトだったら、普通の給料にプラスしてお金がもらえるから、もう真剣。
「あと○○円貯めて、あれ買おう。パーフェクト狙うよ。」
「オッケー、したらあと○回働いて貯めれば買えそうだね。」
「パーフェクト逃したら、時間かかるからマジな。」
「了解。」
ふだん、こんなに真剣に働いたことがあるだろうか。いや、ないかもしれぬ。(←働け)
ふたりのチカラを合わせ、息ぴったりのまま、最終ステージへ。全面クリアまであと一歩!
深夜12時。ここにきて、ゴール遠のく。めちゃくちゃ難しいのである。
問題の超難関ゾーンで死に、そのポイントからけっこう離れたセーブポイントまで戻され、やっとこ進み、死に、また進み、死に・・・・。
ふたりはイライラしていた。
「あーーーーもーーーーーークソッ!!!!!!」
バイトで貯めたお金がすっからかん。鬼門の場所でアイテムを使いまくるので、買いまくって使い尽くしてしまうのである。
「働くしかないよ。お金もうない。」
「働いても働いても、ぜんぜん楽になんない。」
「仕方ないじゃん!いま、お金ないんだもん、やってけないよこんなんじゃ!」
「・・・・・・」
え、なにこれ現実・・・?ゲーム・・・?現実・・・・?
深夜2時。一生懸命アルバイトして貯めたお金。
これでいけるハズだと、必要十分なアイテム。
気を取り直して、気持ちをひとつに! one for all , all for one 。そういうこと。
「あーーーーーッ」
ぬんぬん残機ゼロ。
ブチギレ。
「・・・・」
「おれが、あとはなんとかする」
キレ気味に言うオット。
オット・・・!!がん・・ばっ・・て・・・。
息を呑むぬんぬん。ああ、あのポイントだ・・・
え!あ!!!すごい行けた!!!
喜んだのも束の間。その先で、
「あああーーーーーー!!」
死。残機ゼロ。
「なんなんだよこのクソゲーーーー!!!!!」
オットがキレている。
見たことないくらい怒っている。
怒りを思うままに放出している。
あの穏やかなオットが消えている・・・
ぬんぬんは悲しくなってきた。
なんでこんなことになってしまったんだろう?
いつも仲良しだったじゃん、ウチら・・・
こんな殺伐とした我が家・・・修羅じゃん。
夢いっぱいで買ったスーパーファミコン。
笑顔で楽しい時間を過ごすためじゃなかったの・・・?
涙がでてきた。声を殺した。頬をつたって落ちる涙の粒。
ずいふん静かなぬんぬんに異変を感じたのか、オットがいきなり振り向いた。
「ぬんぬん・・・!泣いているのかい!?」
「ぐす・・・うっうっ・・・もうやだよ・・・そんなに怒ったらイヤだよ・・・。」
「ご、ごめんな・・・アツくなりすぎちゃって、ごめんな・・・」
抱き合うも、悲しい気持ちのまま、時間も時間だったので、無言で寝てしまった。
朝。フッと目覚めると、オットがすでに起きていてこっちを見ている。
ぬんぬんを抱き寄せて「・・・ごめんな。」
ごめんな・・・ごめんな?
あ!そうだ!そうだった!
「昨日、怒りすぎちゃったぬん」
なんか、めっちゃ天気いいし、すごいよく寝たし、すごいどうでもよくなっててっていうか
むしろ、なんかめっちゃ面白くなってきて、
「昨日、ぬんぬんさ、泣いちゃった!オットがキレすぎて!!!(爆笑)」
「なんか、俺、すごいむかついちゃって!心の触れてはいけないところに触れてきたみたいな」
「なにそれ!!つーかスーファミやってて泣くアラフォーってなに!!!」
「おれ、あんなにゲームでブチギレたの何十年ぶりだろ!」
ゲラゲラ笑い出した。もうおっかしくておっかしくて。腹抱えて笑った。
思い出しても図がシュールでクソすぎた。
深夜。キレるオット、泣く妻。スーファミで。
「なんか意味わかんないことになったから、天気もいいしドライブ行こう!」
「いいね!なんか意味わかんないからね!」
それからというもの、スーファミをやることは無かった。
しばらく放置して、あっさり売ってしまった。
深夜のマジック。ファミコンの罠。
あれから数年たったのに、思い出してはちょっとプッと吹き出す。
今ではちょっと良い思い出。
したっけね!♪( ´▽`)
コメント
コメント一覧 (1件)
インスタから飛んできました❤️最高に面白いです🤣私は桃鉄で不貞腐れ、それからはわざと負けるようになってしまった夫…。ゲームって人を狂わせますよね。笑
また更新待ってます!