30代最後の日

お誕生日おめでとうドライブの巻

「40歳の誕生日、これは祭りだわ！」

サプライズなど一切待たずして、自分で自分の誕生日をデカい声で言ってしまうタイプのわたしです。

誕生日は平日なので、土日でお祝いすることになったのですが。
つまり、正確にいうと30代最後の日。

オットは「前から言っていた八雲のおぼこ荘（温泉）泊まろうか」と、とっても嬉しい提案！

でも、自分の誕生日で宿泊費2万以上かける気にならん・・・財布がひとつの我が家。オットの誕生日や、お正月なら全然オッケーなんだけどさ。伝わる？この違い・・・笑

う〜ん、と唸っていると、オットさんの第二案。
「じゃあ、日帰りで温泉入って、どこかでご飯食べて、海の見える岬でキャンプってのはどうだぬ？」

最&高。なんてウチららしいプランなの！それしかない！

起きたら9時ちょい前。寝坊。4時間近くかかるのに寝坊。

ぬん「くそ〜、6時に起きてりゃ・・・もったいない！せっかくの土曜の午前中が減っていく！」

こういう時、オットは実に涼しい顔なのです。
「オットよ、こんな悔しい気持ちを一掃させてくれないか？悔しくないのかい、オットは・・・」

「ん・・？俺はぜんぜん・・・過去を憂いてもしかたない。今が最高よ。見てよこの良い天気、景色！そんな気持ちでいるほうが時間がもったいないだろう？」

一掃した。ほんとそうだ。オットのそういうとこが、すきぃぃぃぃ！

前からずっといいなって思ってた、八雲町のおぼこ荘。

屋根のない完全な露天風呂に、茶色いお湯。そして目の前に流れる綺麗な川！

全裸で立って、そよ風を全身で受け止める。青空と、清流と、全裸。
もうなにも言うことないよ。生きててよかった。生きてるって素晴らしい。
最近、サウナにしても、温泉にしても合法的に全裸になるためにお金を払っている気がするくらい、風を受けながら全裸で自然を享受するのが好きでたまらない。

お風呂もあがり、ホカホカホクホクで向かう先は、「ハーベスター八雲」

ふたみカレーなる、白いカレーが気になっていたのよね。見た目はシチューみたいなんだよ。
ハーベスター八雲っていうお店については、なんの情報も入れずにやってきたのだが・・・

テラス席がみごとで！！！美しい白樺の木々と草原、目の前に広がるとうきび畑と、海！

ぬん「予想以上に素敵！！！え、すごい！完全にデートじゃん！」
オット「いや〜ぜんぜん知らなかったなあ〜。すごいな！」


誕生日おめでとうドライブの完成度の高さ（偶然）に驚いた。
だって、ほんっとーに素敵なお店だったの。
ふだんは「いつもの店」くらいしか外食しないから。おしゃれしてデート♪ってふたりじゃないから。


白いカレーも、ハンバーグも、チキンもグラタンも、オニオンリングもみんな美味しくって。
夕陽が白樺と、草原を照らす・・・この夕陽が照らす緑の色ってほんとうに綺麗ね。


完全に悦になった。

さて、八雲から長万部を走り、アルトリ岬へ向かうのだが・・・

海沿いを走っていると、まんまるのでっかいお月様が！

そうだ、十五夜だったんだ！！！！

お月様までまんまる！まんまるでっかいお月様、おいしそうに海の上にぽっかり浮かんでる！

そ、そんな・・・できすぎじゃないか！今日1日のコース、100点満点超えてきた！

オットが岬でお月様を眺めながら、お団子を食べようとこれまたナイスアイディアを出してきたので、スーパーに寄ったのだが、団子がいっこもない。

「みんな、お月様見てお団子食べるんだねえ〜！」ってなんだかホッコリした。
「お団子はないけど、はっぴーディアーズのパウンドケーキがあるから大丈夫！」ということになった。※はっぴーディアーズは、長万部界隈では有名なお店。

ついたらお月様も登っていて、暗い中ササっとテントを立てて。
オットが淹れてくれたコーヒーとパウンドケーキと、満月のお月様。

「オット、今日はありがとう。最高の30代最後だわ。ほんとうにありがとう。大切なことだから、言っておく。愛しているぬんなあ！」

「うふふ・・・俺も、愛しているぬん」
「じゃあ、それを表明してチッスを授与するね！」
「いや、人や虫や動物が見てるから今はけっこうですぬ！」


など、しょうもない会話をしたり、「ヒロシの自虐的幸福論」を読みながらウトウト・・・眠。


次の日は、快晴で。起きたらすぐに丘の上までオットと行ってみた。
カラッと晴れた日で、海が太陽でキラキラして、風も穏やか・・・。
なんて、なんて素晴らしい景色なんだろう。


ね、今、こんな美しい景色を、ふたりで見てるよ。

オットの手を握った。

「ね、今日30代最後の日だよ。今日のこと、きっと、忘れる？」って聞いた。

「きっと、忘れる、ね・・・」

きっと、忘れるね。
それが生きてるってことだよね。

だからさ、今、噛みしめてるわ。
オットと今、手を繋いでこの景色を見てること。

したっけね(*´︶`*)ﾉ